建築画報 読み物

 

 小社はかつて、皇居や迎賓館赤坂離宮など宮内省内匠寮の手掛けた皇室建築の貴重な図版や資料を多く集めた『皇室建築 ―内匠寮の人と作品―』を、438ページの上製本として結実させた経緯があります。

 平成から令和への改元がなされた2019年、大嘗祭の執り行われる「令和の大嘗宮」についても、並み並みならぬ関心とともに注視して参りました。儀式が終われば取り壊される運命にあるこの仮宮の、書き残すべき歴史的意味や建築的価値を、何らかのかたちで世に残したいものと模索を続けて来ましたが、このたび、東京理科大学助教の長谷川香氏にご執筆いただくことができ、これを広くみなさまにお読みいただきたく、小社WEBサイトに初の試みとして掲載する運びとなりました。

※ 宮内省:宮内庁の前身。1947(昭和22)年までこの名称。
※ なお、この「近現代の大嘗宮 ―『急造素朴の間』にある精神―」は、『年刊藝能』編集委員長児玉信氏の熱意あるオファーにより『年刊藝能』第26号に掲載されています。
※『皇室建築 -内匠寮の人と作品―』(2005年刊)は当WEBサイトよりご注文可能です。

 

 

「大嘗宮の建築と歴史 ―明治から平成、そして令和へ―」

近現代の大嘗宮
―「急造素朴の間」にある精神―

長谷川 香

[長谷川 香 プロフィール]1985年東京生まれ。2008年東京大学工学部建築学科卒業、パリ・ラ・ヴィレット建築大学留学、2011年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻終了、2018年同博士課程修了。その後、文化庁国立近代建築資料館研究補佐員、東京芸術大学美術部建築家教育研究助手を経て、現在、東京理科大学理工学部建築学科助教、博士(工学)、一級建築士。

 

 

皇室建築 ―内匠寮の人と作品―

『皇室建築  内匠寮 たくみりょう の人と作品』

浅羽 英男(元宮内庁管理部 建築史家)